2010/07/24
No.380SL用のパワーケーブル探し、一応決着がつきました。
オリジナルのベルデンはやっぱりイマイチです。線材19364は低音寄りのバランスでその性能は平均点ではありますが、荒々しく細かい微小音は確実にノイジーになり暗い感じなります。JAZZやボーカルものはまずまずですが、それ以上の表現は苦手。もちろんこれは経年劣化の可能性も十分あります。
代わるケーブルとして色々オーディオ用線材やプラグを選択し実験してきましたが、その固有のカラーが出過ぎるようでうまくゆきませんでした。
というわけで、カラーの突出を抑えるという意味で標準のベルデンの傾向をベースとしつつ、純度の高いものという観点で線材を探してみました。普通っぽいものが無難によさそうです。

線材は10年前のKENWOOD CDPの直出しケーブル。オークションで安価に落として改造し遊んでいたころの残骸です。日本のオーディオメーカーのそこそこなものであれば、OFCが採用されている可能性は高く一定の音の純度は確保できそうです。実際試してみたところ、これがなかなか秀逸。線材が細いが故にかなりスリムな表現になりますが、すっきりと見通しの良い感じは好印象です。IECはシューターのL字タイプを使いつつ、中のブレードにオヤイデの4781PBGの金メッキ端子を使いました。シューターのL字は年代ものだったみたいで、付属のブレードは錆が見られてボツです。
このタイプの素直なケーブルについては、線材の太さと音の太さはほぼ比例関係にあるとみて間違いないようです。じゃあ、もっと太くベルデンと見た目に近いものはないかと見回したら…目の前にありました。

これ、元はSoulnoteに付属のケーブルです。この線材、実は物凄く音が良い。ただ付属品のままだとプラグにメッキがしてあり、イマイチです。それを改善すべく、福岡の吉田苑さんがプラグをLevitonの珍しい工業用?のものに変更し販売しています。ブレードには「Leviton」なんて彫り物がしてあり一瞬どうかと思いますが、音質的には全く問題なし。というか、このプラグをよく探してきたと思います。この線材とこのプラグのセットは絶妙です。中低域にエネルギーがありつつスピードが鈍らない。既にdc1.0には随分前から使っていましたが、本質的な良さが分かったのはここ最近です。
標準でモールドタイプのIECがついていますが、これは切り落としてL字タイプのシューターに変更、オヤイデ4781のブレードを組み合わせて写真のように完成させました。うちではもうこれ以上は要りません。完成形に近いと思います。
このケーブルは吉田苑さんでのみ入手可能です。値段はリーズナブルです。ただ商品到着してプラグのブレードを見てみると真っ黒でした。もし購入されることがあったら、一度分解して洗浄後組み直して使用すると良いようです。音の鮮度が一気にアップします。
(注:プラグ内部の止め金具が鉄です。非磁性マニアの方は要注意。ちなみに他のプラグでも違った魅力を見せる線材ではあります)
この記事を見て「こいつは駄耳でこの程度で良かったんだ」と解釈する人がいるかもしれません。それは間違いと自分は自信を持って言います。見た目で判断せず、音で判断するのが基本だと思います。自分の場合、オーディオに対して高級感を楽しむのがメインじゃなくて、音と音楽を楽しんでいます。