2023/01/12

良いRCAケーブルが枯渇していて、最近自作したものです。
吉田苑さんのHPでカプトン被膜のケーブルは音が良いと情報を得たのは、10年以上前。
SE線という名前で内部配線を変えた吉田苑さんのチューン製品もありました。
材料枯渇により、現在このチューンはやっていません。
すでに7〜8年前くらいでしょうか、SE線そっくりの線材がヤフオクで出品されているのを見つけゲット。
当時はストレート感を感じるものの、色気がないケーブル・・・といった印象で死蔵していました。
昨年、私物の整理をやっていたらこのケーブルを発見。
自作してこのケーブルの本当の価値に気づいた次第です。(随分時間がかかった)
実を言うと、写真はこのケーブルではなく、恐らく?同じ出品者の方が現在出品されているものです。
ケーブルは上記SE線より太い分、低音が沈みます。SE線より被膜がカプトンまんまなので、皮剥きは少々大変。
エージングには1日程度かかるようです。
翌日聴くとケーブルの存在を忘れるようなストレート感。メインシステムのヘッドホンアンプ系統をこれに揃えました。
いや、何の話かというと、ガッツリ被膜のついた太いケーブルを今まで礼賛してきた過去を反省したという話。
そもそもあの分厚い被膜は、業務機の流れではないかということです。
プロの現場では、ケーブルは踏みつけたり引きずったりと過酷な環境下に置かれるのもしばしばです。
そのような環境で断線から守るにはぶっとい被膜をつけなければなりません。
一方、家庭での使い方はどうでしょう。
そこまでのことには到底ならないと思います。
しかも趣味で使うんだったら、音質重視の繊細なケーブルでも良い。
その最たる例が、Soulnoteの内部配線材で作ったケーブル、SBC-1ではないでしょうか。
自分の中でモガミ2534はいまだにリファレンス的な存在ですが、やはり良く聴くと若干付帯音がついて滲み、高域方向が僅かに歪みます。でも音域のエネルギーバランスが最適なので、違和感を感じることは少ないと思います。
それをSBC-1に変えると、背景がスッと静かになり、付帯音が殆どなくなります。
これを体感してしまうと、そんじょそこらのケーブルに納得できなくなります。
ただこのタイプのケーブルは、いわば究極のスッピンタイプなので、素が良くないと苦痛になります。
Soulnote製品はこれを使って直球勝負の製品展開。凄いとしか言いようがないですね。
ちなみにこの派生ケーブルとして、鈴木哲氏のFundamental XLR100, RCA100があります。
いわゆるFundamentalのFTモデルは、内部配線がこのオリジナルケーブルになります。
SBC-1がどスッピンとすると、こちらはクリアさはそのままに高域にツヤ感があり、ストイックながら色付けがあるように思います。どちらも気に入っているケーブルです。
長くやっていると色々発見があります。
その後、オクを眺めていてまたケーブルを見つけてしました。

写真の上のケーブルです。(こちらは完成品)
5N銅線に銀メッキ処理。ワイヤーの構造は某Kimber。プラグはWBTに見えるが・・・昔から秋葉でも売っていたWBTインスパイアのプラグです。(秋葉のはWBTロゴはなかったが、こちらにはある。印刷するでない!)
購入時から、もちろん怪しげなのは理解済み。出品者も本物とは言っていない(笑)
価格は激安です。
音を聞いて、驚きました。このオリジナルが存在しない謎ケーブル。昔聴いたKimberの下位クラスよりずっと良い音しています。パクっているようで、オリジナルが存在しない。しかも記憶との比較にはなりますが、本家のエントリー品より音が良い・・・
最近、ヘッドホン以外のケーブルアクセサリーのジャンルは崩壊したなと思っていましたが。このような時代が来てしまいました。
OEM生産している工場のオリジナル品のようです。工作精度には問題がなく無事使えています・・・