2016/04/10
音の作り方
1ヶ月の更新がなかなかしんどくなってきましたw以前の音出し放題の環境から、今やちょっとボリューム位置を間違うとすぐにクレームが来てしまう環境へとなってしまい、かなりテンション下がりました。
ただやっていると見えてくるものもあるわけで、小音量だから趣味性が全くなくなるわけでもありませんでした。犠牲になるものも少なくないですが、同じような環境の方にも参考になればと少しまとめてみます。
・アナログアンプとデジタルアンプ
10年くらい前の常識では、アナログアンプの方がローノイズで小音量に強く、デジタルは効率やノイズの面から大音量向きと言われてきました。確かに過去所有していたデジタルアンプはそういう傾向でした。しかし、最近のデジタルアンプはとても優秀でとてもローノイズ。今使っているNmodeとMarantzはどちらもノイズレベルはアナログアンプ並み。下手な負帰還0のアンプより静かかもしれません。それでいて、音数の多さはアナログを遥かに上回る。使えますね。
・音数と音の太さの関係
音の太さは音数を制限することで生まれる要素と思っています。その良し悪し、バランスは好みの範疇です。音数を増やすと細めの方向性となります。両立する最も簡単な方法は、音量を出すこと。でもそれが出来ないわけだから割り切りはいくらか必要な面があると思います。
・太さの秘密は
典型のアンプといえば、やはりマッキンでしょう。トランスドライブの出力段。おそらくですが、小音量だとトランスの逆起電力に負けて細かい音が犠牲になってしまうように思います。一方音量を出すと低音を中心に生々しい表情へ一変。
これくらい音量を出すと一般マンションの限界付近でしょうから、その環境では覚悟が必要かも…
・セパレートアンプは大音量向き?
そもそものセパレートアンプのメリットは電源部の分離です。分離することで駆動力が相対的にアップします。この構成にすることで大音量時の安定性が飛躍的にアップします。では小音量の時はどうでしょうか。アナログアンプの場合はそれに見合う巨大な電源トランスを搭載することになり、歪みの要素はアップ。しかもプリ、パワー間の信号経路は複雑化し長くなることで、ロスする要素も増え小音量向きではなくなってきます。超高級アンプなどは両立できるような設計となっていると思いますが、庶民価格のセパレートではなかなか両立は難しい気がしています。
・ビンテージアンプは
一度ハマると抜け出せない魅力を持つビンテージアンプ。その魅力はおそらく人間の聴感や感性に訴える一種の性能の「劣化」だと思います。人間の耳は測定器ではないわけですから、気持ちの良い音は特性的に優秀でなければならない理由はありません。(もちろん設計者がこれから機器を設計する場合であれば、一つの大切な指標となるべきものです)
でも、小音量の場合にはこれがなかなかしんどい。残留ノイズが多いことが多く音が埋もれやすい。F特の乱れは小音量では聞き辛さになりやすい。一軒屋が普通だった時代に合わせた設計ですから…
・小音量って
とても厳しい条件が揃う小音量再生ですが、デメリットばかりでもないと思います。エネルギーバランスなどは音量を出した時よりも如実に分かりやすい。部屋の残響の影響が少ない。チューニングを適切に行いたい人は大音量派でも確認手段として音量を絞ってみてください。案外良い音出すのはハードルが高いと思います。(あれ、これってデメリットか)
結局はヘッドホン?なんだか逆にデメリットが如実に…