SL-1200を再考してみる(旧モデルの話)

長い歴史を持つターンテーブル。自分が最初に入手したのは80年代末。消費税導入前だったので、カートリッジ込みで10万円くらいしたと思う。モデルはMKII。まだ高校生で親にねだって買ってもらった。
うちにはソニーの古いベルトドライブのターンテーブルがあってまだまだ現役だったが、伝説のターンテーブルの話をラジオ番組で聞いて絶対に欲しいと思った。田舎だったせいもあるが、高校で近所にヒップホップを聴いていたヤツは一人もいなかったし流行に対しては相当早い方だったと思う。

最初に聞いた瞬間にDDの安定感とそのソリッドな音の良さにノックアウトされた。毎日の帰宅が楽しくて仕方がなかった。世の中はCDへと確実に進んでいた時期でもあり、レコードは処分品扱い、電気屋さんの店頭からもターンテーブルは消えていた。友人にすら、ターンテーブルを購入した話はほとんど理解を得られなかったのを覚えている。

そして、そのMKIIをつい先日まで持っていたのだが、とうとう手放してしまった。最後までちゃんと駆動していた。ただアームは錆びてしまい手垢でシルバーのボディは真っ黒。お別れを告げて、ヤフオクで代わりのMK5の中古を入手。少しずつ改良が加えられたというが音の方は昔から基本的に変わってない。


1. サウンド傾向
 硬質で鳴かない素材でコンパクトにまとめたボディ。見た目のままで中域に若干密度感があり、レンジは欲張らない。輪郭をはっきりと描くタイプでクラブサウンドにぴったり合っている。低音は膨らまずタイト。フェルトのスリップシートくらいでちょうど良い音質バランス。最初の設計者はDJ用途など意識していなかったみたいだが、偶然か条件がぴったりと合っている。


2. バージョンによる進化
 MK3まではピッチコントローラーの中央にクリックがあり、そこで止めると標準速度になる仕様だった。ただ、DJがピッチを合わせている時にここに引っかかってオペレーションに支障が出ることがあった。なのでMK4からは標準速はボタンで選択となった。
 電源スイッチは大型で目立つ。MK3まではスイッチの縁が外に露出したタイプ。ここをプレイ中にうっかり触って回転が止まってしまうトラブルが多発。(自分も友人も当時失敗してました)MK4からスイッチの縁は内側に隠れるタイプになり事故は大幅に減ったと思う。
 また暗闇で便利な針先用ランプ。MK3〜4付近までは裸電球だったので球切れが頻発していたが、後期になるとLEDになりその心配もなくなった。

 付属のゴムシートはMK3までは分厚いものが付属。分厚い方が高音質と思われている方もいるようだが、実際はそうとも限らない。耳で聞く限りは付属でもないフェルトのスリップシートが一番音質的にフィットしているように思う。
 まだまだ細かい点はあるが大きなところは大体以上ではないだろうか。


3. 何が凄いか
 そもそもチューニングに繊細なはずのターンテーブルの常識を打ち破る安定度に尽きると思う。セッティングは無茶苦茶でもそこそこに鳴ってしまう。逆にそうでなければオーディオ的な素養が必ずしもないDJにウケなかったと思う。
 実はオーディオ的観点とは別にDJ用セッティングというものが存在した。アームの高さは一番下まで低く、針圧は3g以上、アンチスケーティングは0固定。なんでこんなことをするかというとバックキューイングやスクラッチした時に針が飛ばなくなる。
 どんなセッティングをしても音質的に極端な破綻が少ないのがすごい。同価格帯で定評があるのもうなづける。


4. オーディオ的観点から音質的にさらなる伸びしろはあるのか
 旧モデルについて、最近色々やってみましたが結論から言うとありません(笑)過去に分解してしまった人もネット上では見たことがあります。今度正式発売される新型はどうなっているか気になるところです。
 合わせるカートリッジについては、すでに絶版になってしまったZu DL103がやはり一番高音質のような気がします。Zuのモデルはノーマルに比べさらに低音が充実しています。そう、SL-1200をベースに開発されたとも言われるように、タイトでスリムな低音を補うようにチューニングされているようです。



というわけで思いつくまま書いてしまいました。多分、今度の新型を購入することはないと思います。
なぜかと言えば、もう卒業しても良い頃かと・・・(笑

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