2021/10/14
SL-DZ1200の意外なサウンド

SL-1200をCD時代に対応させたいわゆるCDJ。今となってはビンテージ機です。
ついつい回転ものの音が聴きたくなり、ゲット。今の中古価格は2万円前後。これは魅力的。
とはいえ故障品がジャンクとしてオークションで出品されているパターンも多く、この先の耐久性は全く不明。
とにかく、デザインが素晴らしい。SL-1200のデザインが好きな自分としてはいつか欲しいと思っていたものでした。
では早速試聴。届いた直後はターンテーブルのモードがリバースになっており、いきなりCD逆再生。面食らいました。
気を取り直して、CDを聴きます。
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なんだこれ、魅力的な音がする。音の温もりが凄い。もっと廉価機な音をイメージしていたのに良い意味で期待を裏切られました。
この機器の面白いところは、再生中ターンテーブルが回転するところ。
そう、レコードの動きをシミュレーションするのです。
ターンテーブルを止めれば再生は止まります。スクラッチすれば、針先の痛みや針とびを気にせずスクラッチ。
今度は背面のスイッチをCD PLAYERモードにして再生。
そうすると、ターンテーブルの回転が止まった状態で再生が始まります。
うーん、再生はさっきよりキチンとする感じはするが、高域の尖り感がエントリークラスのCDP感。普通です。
この違い・・・少し考えてみました。
CDJのモードではユーザーがスクラッチしたり、アクションをした時に反応できるように常に上面のターンテーブルの回転を再生に常にフィードバックしているということです。
つまり、本当にレコードを再生している時に近い状態。物理的な回転の揺らぎを再生音に常にフィードバックしていることになる・・・!
CDPのワウ・フラッターは本来測定限界値以下。この機器においてはそうではなく、数桁単位で落ちるのではないかと!
マニュアルの仕様を見てみましたが、イマドキってことなのか記述はありませんでした。
これって、ある意味構造上のバグ的要素?パイオニアのCDJでは殆ど発生しないと思われます。
ですが、逆手に取るとこれは面白くとても興味深い仕様。しかも経年劣化で新品購入時よりアナログ臭いかもしれない。
この考察を踏まえて再び試聴。これ、やっぱりアナログの音ですよ!
テクニクスさんへ一言。
今ならファイル再生でこのギミックを使って新製品を出してみてはいかがでしょう。面白い製品ができそうです。
(ちょっとだけアイデア料いただければ、嬉しいです・・・)