2022/03/14
回転してみたい・・・CDP編
ネットワーク再生に完全移行して既に3年近く。その道は茨の道でしたが、なんとか落ち着いた今日この頃。所有のCDライブラリーを眺めながら「回転したい」という欲望が・・・
ここ最近の「回転」への試行錯誤を紹介します。
●思い出すマイ黄金期
やはりエソテリックだと思います。2000年代中盤以降、エソテリック土壇場であった事は否定できない事実だと思います。VRDS+外部クロックの組み合わせは鉄板。ただ2010年以降は価格が大幅上昇。庶民が買える代物ではなくなってきました。
今、新品を買う財力はないため、中古で検討。しかし中古機で思い出すのは手放した機器ばかり。逆戻りはやっぱり違うのではないかと。
●現行機種(ミドルクラス)の状況
各社から新作が発売されていて市場としてはまだ元気な印象を受けます。実はその中の話題の一機種を昨年ゲットしていました。某社の30万クラスのモデルで実際かなり売れているようです。オクの中古で格安入手しました。
導入当初は何かを感じさせましたが、聴き込むほど体に合わない・・・
チューニングがキツい。電源ケーブル買えると悪い方向しか向かない。手放しました。
この時は手持ちのSACDライブラリーを生かす事を念頭に機種選択していましたが、30万クラスでSACDをきちんと再生できるプレーヤーは今も昔も極小です。これ以降、ターゲットをCDのみに絞りました。
●現行機種(廉価)をトラポとして活用するプラン
手持ちに良いDACがあるのだから、これを活かすのが最善の方法かと。
問題は安くて良いトラポを搭載したCDPがあるのかという事。
随分前に業界標準として搭載されていたSONY製のユニットが生産終了になったとか、環境的には大変厳しい昨今です。最近の廉価機のレビューを見ると、買って1年でCD読まなくなったとか散々なものもある様子。
最近はスロットインが流行っているみたいですが、CDを食ったまま出なくなった過去のトラウマが忘れられないので避けたい・・・
元々生産縮小傾向のドライブにどのくらい希望が持てるのか。結論出ませんでした。
そして見た目に満足できない物を手元に置くのかと?
●定評のある廉価Blu-rayプレーヤーをトラポにしてみる
オクで入手し試してみました。音の傾向としてはなんか荒っぽい感じ。ダメではないんですが。元々映像とセットで楽しむもののようです。
●プレイステーション3は?
久しぶり引き出してきました。第2世代のものです。初代はファンの音が大きく発熱が凄いため手放しました。
音はAVアンプに接続していた時の記憶の通り、かなり素晴らしいと思います。透明感、空間表現が得意です。さすがSONYといったところ。ただ僅か高域が歪みっぽい感じがします。許容範囲ではありますが、今回は見送りにしました。
●やはり中古。オーディオ全盛期に辿り着く
SONYの初期型D/Aコンバーターで味を占めたこともあり、この80年代〜90年代のCDPに興味津々。
そうそう、各社オリジナルでCDの読み取り方式への試行錯誤が行われていました。
有名各社がオリジナルのドライブをそれぞれ開発していたなんて、今考えるとなんと贅沢。自分は90年代、Pioneerのターンテーブル型のCDPを使っていました。(音はそこまで好みではなかった)
ここはやはり老舗のSONYです。
ここで価格縛りを設定。バリバリメインで使用というよりは、たまに使う程度を想定して上限を5万円に設定しました。
そこで浮かび上がってきたのが、CDP-XA30ES。1996年発売。

上位機種の方が人気なのか、2万円代で落札。当時のエントリーモデルということで、トラポ性能のみを意識しながらあまり期待しないで聞いてみると!
とろけるサウンド。安定感と恍惚感は、最近のドライブにはない魅力。滑らかなんですね。
高域に色気があります。この感じは海外製のフィリップスドライブのトラポで感じた印象に似ている。
試しにアナログ出力も聞いてみると、これがまた良い。最新のDAC経由で聞いた時とほとんど違わない。どちらかというと、トラポのキャラがいい感じに伸ばされている感じ。
ボーカルに関しては、生々しく立体感がある。これが当時メーカー希望価格で¥66,000!
それだけ数が世に出ていたということです。アナログプレーヤーもそうですが、数が出ると一台あたりのコストが抑えられる効果がありますよね。
SONYのカレントパルス方式に関しては、否定的な意見を耳にすることが多く、また当時の自分の中でのSONYの音は、「細い、真面目、つまらない」というイメージでした。
でも気がつけば、世の中が昔の機器の基準でいうとかなり音が細い(逆にいうと繊細で細かい音が出る)方向に向かっており、時代が追いついたとの解釈もできるかもしれません。
光学系固定方式のドライブを採用。センサーが移動するのではなく、CDメディアそのものが移動する逆転の発想。このドライブには使用上の注意点があります。純粋なCDメディアしか再生できないこと。ダブルレイヤーのSACDなどは音飛びしまくり。CD-Rも音飛びします。それだけビームの強さを最適化してピンポイントに攻めているという点で私的には興味深いです。

オーディオの足跡や他の紹介ページの情報によれば、搭載されているドライブは上位50シリーズの廉価バージョンとのこと。このCDPの重量9.2Kgあるんです。ずしりと来る重量。
じゃあ、上位機種はどうなっているんだとウォッチすると・・・やはり根強いファンがついているらしくコンディションの良いものになると8万円越えになるようです。おおお。
そんな中、比較的格安のコンディションの悪い(笑)CDP-XA55ES動作品が見つかりました。当時売れていたせいか、現存の個体数はかなり多いらしく、興味の対象がコンディションへ集中するせいか、競争もあまりなくゲットできました。最後のES機と言われているものです。
果たしてその音は・・・
立体感、リアリティが増してます。想像の上をいく高度なサウンドです。当時のSONYはここまで行っていたんだとまさに驚きでした。オーディオ界の古株の方が書いた「昔からCDPはあまり進化していないよ」的な記事の意味が少し分かった気がしました。光学系固定方式メカニズムはこの時期だけ生産されたもので、発売から25年以上経つ現在、このクオリティで再生できていることは驚異だと思います。
両者を比べると、コスパという意味ではXA30が最強です。中毒性のある色づけはもはや廉価機のイメージではないですね。(デザインはさておき、個人的にはXA30の方に惹かれるものが。音いいです)
Sonyという会社は旬な技術には物量と人材を注ぎ込むが、目処が見えた瞬間に手を引く傾向を如実に感じます。SACD提唱者であったはずなのに、最初期だけちょっとだけ飛ばして、その後すぐに収束。残念です。
久しぶり回転もいいなと。スタビライザーを載せるセッティング方法も影響もあるのですが、自分の扱いとしては完全にアナログと同じになっています。
